人事制度の整備
(労務かわら版平成29年10月号再編)
平成29年は、1月に育児・介護休業の改正、10月に育児休業の再改正と、改正が相次ぎました。さらには、平成30年4月からは、改正労働契約法による有期労働契約の無期転換がスタートします。 これらは「働き方改革」の施策と位置付けられ、人事制度の整備が必須となっています。
従業員区分と定義
有期労働契約の無期転換に伴い、パート社員が無期パート社員と有期パート社員に分かれることとなります。この場合、就業規則等に別段の定め(職務、勤務地、賃金、労働時間など)をしなければ、従来の内容と同じとなります。ただし、無期転換は、有期契約労働者を正社員にするものではなく、あくまで有期労働契約が無期労働契約に変わることを指しています。
ここで問題となるのは、現在の就業規則にパート社員の定めがない場合やパート就業規則に無期パート社員の定めがない場合、無期転換されたパート社員(無期パート社員)に適用される就業規則はどれか?ということです。不要な疑義や争いを避けるためにも、各従業員の定義(適用される就業規則:番地)を定めるのは、大変重要なことです。
従業員の区分例を、以下に記します。
- 正社員
- 無期パート社員
- 有期パート社員
- 嘱託社員(定年後の継続雇用)
また、一定年齢(例:70歳)から、労働契約を請負契約に切りかえる場合もあります。
(参考リンク:給与か外注か)
検討課題
従業員区分を定めるに当って検討すべき事項(例)は、下記の通りです。
項 目 | 検 討 内 容 |
( 1) 労働契約 | 無期労働契約・有期労働契約 |
( 2) 所定労働時間 | 週40時間・20時間~30時間・20時間未満 など |
( 3) 勤務日 | 適用カレンダー・休日・シフト勤務 など |
( 4) 業務内容 | 総合職・補助職・担当業務 など |
( 5) 職種変更 | あり・なし(限定採用) |
( 6) 転勤 | あり・なし(勤務地限定) |
( 7) 時間外勤務 | あり・なし(時間限定) |
( 8) 休日勤務 | あり・なし |
( 9) 給与体系 | 月給・日給月給・時給 |
(10) 賞与 | 通常賞与・業績手当・なし |
(11) 退職金 | あり・餞別金・なし |
(12) 定年 | 定年年齢・有期労働契約の上限年齢 |
(13) 休職制度 | 適用範囲 |
(14) 特別休暇 | 適用範囲 |
(15) 正社員転換 | 転換条件 |