データから見る中小企業M&Aの現状
2020/12/22
Ⅰ.中小企業M&A はどれくらいある?
次のグラフは、(株)日本M&Aセンターの協力のもと、日経平均株価と日本M&AセンターにおけるM&Aの件数の推移をグラフ化したものです。
全体として、M&Aの案件は年々着実に増えていると言えます。
下のグラフは少々前のデータになりますが、経済産業省のHPによると、2017年現在で、日本におけるM&Aの案件は年間で3000件を超えており、上記のグラフとあわせて考えると着実にその件数は上昇していると考えられます。
Ⅱ.経営者交代の時期と年齢は?
次の資料は、令和2年3月30日に中小企業庁が発表した「令和元年中小企業実態基本調査速報(要旨)」からの抜粋です。
近年、中小企業の社長の平均年齢が上昇していると報道されます。この要旨の中にも課題として挙げられています。
「経営者交代率」は、昭和50年代の5%に比べ、近年では2.5%を切る状況下にあります。また、これに伴って、当然社長の平均年齢も上昇しております。
Ⅲ.現在の承継では、意外に親族承継が減っている!!
以下の資料は、中小企業の社長が「自分の事業承継をどう考えるか」の意向調査の結果です。 「事業承継について考えている」との答えの中で一番多いのは、当然ですが、「親族承継...紫のグラフ」となっていて、希望や優先度としては一番多いことがわかります。
中小企業の社長の事業承継の意向別割合(産業大分類別
しかし、下のグラフは、中小企業庁から「事業承継に関する現状と課題」の中のグラフで、近年は事業承継の形態が様変わりしたことが発表されました。この報告書によると、親族承継は減少傾向にあり、ここ5年以内に事業を承継した経営者の65.7%、約3人に2人は親族外の承継であったということが示されています。
これら2つの資料から、現社長の事業承継の意向は「親族承継」が一番多いのですが、実際に引継ぎをされた案件のうち、ここ5年間では、その約3分の2が親族外の承継、10年を単純平均しても55%が親族外の承継ということです。
逆に「息子・娘」による親族承継は、ここ5年ですと26.7%、10年を単純平均しても36%という統計となっています。