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「会社の承継」で大事なこと パート2

会社の引継ぎデータより

会社の承継に関しては、後継者として親族が引き継ぐことが以前は主流(約9割)でした。しかし、ここ数年で親族外承継は急激に進み、この5年程度の引継ぎの現状では、3分の2が親族外承継であることが中小企業庁から発表されています。

これは結構意外で、当社での現状及びイメージですと、一昔前よりも「親族外の承継」は確かに着実に増えてはいますが、まだ「親族承継」の方が多いとは言えます。

しかし全国統計ではこの数字となるので、北関東地盤でも、今後は近づいてくる予想はあります。

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ある「会社の承継」より・・・

昨今、政府系の機関の発表でも多く取りざたされておりますが、日本の中小企業の事業承継に関するお悩みのトップは「後継者がいない」です。

一概に後継者がいないとは言っても様々です。

お子さんがいらっしゃらないケースもありますし、ご子息等がいらっしゃる場合であったとしても、「別の仕事についている」「後継者として向かない」「業種を鑑みるに息子に継がせない方がよい」「後継者が若すぎる」など様々です。

S社長の思い

A社は、特殊金属加工で業界では名の通った製造業です。
年商は6億円、経常利益は平均で年2000万円をコンスタントに計上する優良企業です。A社のS社長(当時65歳)には、3人の息子さんと1人のお嬢様がいらっしゃいました。お嬢様はご結婚をされ現在、他県にお住まいです。

長男はシステムエンジニアとして東京にて活躍中。次男は商社マンとして海外で勤務しております。三男は、大手自動車メーカーに技術系職種にて勤務されておりました。経営も順調で、その背景には特殊加工技術をお持ちの50代後半の幹部2人、営業もしっかりしています。

S社長から相談したいことがあるとの話を伺い訪問をすると、同級生が定年退職になったことや最近以前よりも疲れが取れなくなった、と切り出されました。

息子はそれぞれの勤務先でうまくやっている。うちの会社の仕事と似通ったことをしているのは三男だが、性格的におとなしく口少ない性格であり、中小企業のオーナーとして、これからの難しい時代にうまく経営していけるか正直心配だ。大手の自動車メーカーに入り、中堅社員にも抜擢されたと聞いているので、その人生を変えるのもどうかと思う。

今までの35年間、自分が築いてきたやり方は、これから20年先を考えると同じやり方では通用しないと思う。仮に3人の息子の誰かが事業を引き継いだとしても、役員よりもかなり年下の息子に従ってくれるだろうか。

S社長との話し合いの結果、まずは創業期からの苦労を共にした幹部に3年後を目途に経営を引き継いでもらいたい、と話をする決断をされました。

2つの壁・大きな壁

1優良企業であるほど株価が高い

優良企業であればあるほど、自社の株価も高くなります。A社の場合には、評価額で8億円です。これだけの評価額の株式を、承継を機にどのように引継ぎをするか、かなりハードルが高くなり、様々な対策のミックスとなります。

2銀行の信用の引継ぎの重み

経営をしていれば、事業のアクセルを踏むために銀行から借入をするケースも当然あります。大きな機械の導入ともなれば数千万円の借入を金融機関から行うこともあるでしょう。銀行の借り入れの有担保となっている個人の土地を会社で買い取るか、その原資の借り入れをどうするか、現社長の保証が入っている借入金の扱いは...等々、銀行の信用の引継ぎをしなければなりません。

今回のケースも解決策の検討に入りました。
その矢先に、2人の幹部より年齢のこともあり遠慮したい旨、更に一人は奥さんにかなりの反対された旨の申し出があり、断念せざるを得ませんでした。そこで、最終の手段として「第三者承継(M&A)」、私どもと株式会社日本M&Aセンターの協力のもと引継ぎ手を探すこととしました。

結果として

結果として、上場企業であるB社と一緒に事業を歩むこととなります。業種的には、S社長には思いもよらない業界でした。

「自社の技術はこの業界の企業が引き継ぐもの」との当然に考えがありました。自社の事業と同業種であったり、せめて川上や川下の業種と思いきや、意外な業界が自社の技術を応用して、経営を水平展開する戦略とのことでした。柔軟な発想が必要ですね、とS社長もおっしゃっていました。

金額面、及び雇用等の継続、従業員の福利厚生や待遇面での充実などのその他の条件面で折り合っての合意となったのですが、「自社の技術を幅広く世の中に知ってもらえる」ことが、今回の最終決断のきっかけとなりました。

会社の承継につきまして、どのような点でもご相談がありましたら、当社担当までお声がけください。当社専門事業部の社員がお話を承ります。お待ちしております。

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