コーヒーブレイク 土地も一物四価?五価?
2021/08/25
先日、国税庁より「路線価」が発表になりました。路線価は、毎年7月上旬に相続税や贈与税の申告の際に土地等の評価額の計算の基礎として用いられるものです。
道路に1㎡メートルあたりの単価が記載されその道に隣接する土地の評価の際の基礎となります。
相続税の路線価
上の図は、群馬県太田市役所周辺の路線価です。市役所の東の道路(国道407号です)に「84E」の記載が見て取れます。これは、この道路に面する土地の評価は「1㎡あたりの84,000円」を基礎とする、と言う意味です。同様に北側の道路「60E」は「1㎡あたり60,000円」を基礎とします。ただし、実際の具体的な評価額にあたっては、「84,000円×面積」といった単純なものではなく、奥行き・地形・道路付けなどの多くの評価要素を加味して、評価額を決めていきます。
ちなみに路線価には、固定資産税を課税するために市町村役場が定めた「固定資産税を課税する上での路線価」もあります。太田市役所の東の道路(国道407号)では、1㎡あたりで73,500円、北側の道路で52,500円となっています。
さらに、国土交通省が年に1回、実際の売買実例などを基に、1月1日時点で1㎡あたりの単価を定める「公示価格」があります。
加えて、各都道府県が7月1日に定める「基準地価」もあり、目的や利用方法は異なりますが、公に定められた土地の値段だけでも4つ存在します。
この4つに加えて「時価=実際の売買価格」が存在します。「実際の売買価格」は、これら4つとは異なる市場取引価格です。この「取引価格」も取引条件、例えば隣地が欲しいのであれば、一般的な近隣相場よりも高くなりますし、いくらでも良いから売却となれば、当然安くなりがちです。
これは土地が一物四価、一物五価と言われる所以ですが、おおむね、単価としての目安は次のように言われています。
売買価格 | 公示地価 | 基準地価 | 路線図 (相続税) |
路線価 (固定資産税) |
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評価 | 時価 | 100 | 100 | 80 | 70 |