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事業承継やM&Aの"今"をデータと事例でみる! ②事業承継の3つ型

②事業承継の3つ型

 中小企業庁は、日本の中小企業における事業承継を支援するため事業承継ガイドラインを策定しました。これによると事業承継には次の3つの類型が示されております。

類型 概要
親族内承継

● 現経営者の子をはじめとした親族に承継させる方法である。

● 一般的に他の方法と比べて、内外の関係者から心情的に受け入れられやすいこと、後継者の早期決定により長期の準備期間の確保が可能であること、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できるといったメリットがある。

従業員承継

● 「親族以外」の役員・従業員に承継させる方法である(以下「従業員承継」という)。

● 経営者としての能力のある人材を見極めて承継させることができること、社内で長時間働いてきた従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすいといったメリットがある。

社外への引継ぎ(M&A)

● 株式譲渡や事業譲渡等により社外の第三者に引き継がせる方法(以下「M&A」という)である。

● 親族や社内に適任者がいない場合でも、広く候補者を外部にもとめることができ、また、現経営者は会社売却の利益を得ることができる等のメリットがある。さらに、M&Aが企業改革の好機となり、さらなる成長の推進力となることもある。

1.親族内承継

 「親族内承継」は、経営者の「子ども」や「子どもの配偶者...娘の夫など」等への引継ぎを意味します。日本の事業承継の形態として最も親しまれ、活用されてきた引継ぎ方法です。先ほどご覧頂きました通り、経営者の思いとしては親族内承継なのですが、実際の最近のデータでは、3社に2社は親族以外の方が事業を承継しています。
 親族承継の特徴は「子ども又は子どもの配偶者=相続人又は相続人の配偶者」への引継である点です。相続人である「子ども」への引継ぎですから、「親から子へ・子から孫へ」という自然体として「相続又は贈与」での引継ぎが行えます。金融機関から見ても保証や借入(=信用)も引き継ぎやすいとも言えます。また、創業者(親)の想いや苦労を「間近で長く」見ているという事も「不易...変わらぬ大切さ」を継ぐ重要な要素です。

2.従業員承継

 親族承継が難しい場合に、次に考えるのが「従業員承継」となります。「従業員承継」のメリットは、仕事・現場・取引先・社員を十分に熟知している為、業務の引継ぎは比較的スムーズなことです。問題は、前オーナーが保有されていた株式の承継をどうするかです。

 事業が成長している会社であれば当然に、創業時から蓄積された会社の内部留保が多額で、オーナーが保有されている株式の価値が高い場合など、逆に引継ぎは難を要するため早くからの対策が必要です。
 オーナーが株式を所有したままで相続が起きた場合、会社に関係ない相続人が大株主となります。例え、その相続人が経営陣に協力的だったとしても、換金性の乏しい「自社株式」に対する相続税をどうするかが問題となります。

 また、新経営者は取引銀行からの信用も新たに得なければならないのと同時に、自身の家族(主に配偶者)の同意も得る必要があります。
 事業承継とは基本的には、「社長の交代」「株主の交代」「信用の交代」という「3つの交代」を指します。社長の交代はできても、株主の交代及び信用の交代のための対策を確実に行う必要があります。この場合の2つのキーワードは「方針を早く決める」「時間を掛け対策・周知を実行する」です。

3.第三者への承継(M&A)

 社内承継である「従業員承継」も難しい場合には、社外への承継(M&A)の検討です。    
 基本的に引継げる体力のある会社が事業を発展継続することを目的として引継手として名乗りを上げますので、「株主の交代」「信用の交代」に対しての問題は全て解消されます。注意点とすると、「いつまでに、いくらで」引継いで貰えるかという事です。第三者への承継(M&A)は、早めに構想をし、企業体制を整えることが、最も大切です。

4.事業承継に関する準備には

 事業承継を実施した中小企業を対象に、その準備にどれ程の期間をかけたかについて、事業承継の類型別に分析をしたものがあります。
 親族内承継は、他の類型と比較して準備期間が長いことが伺えます。承継準備期間が5年以上と回答した割合が約3割と最も高いことにも注目です。
 一方で、社外承継(M&A)に関しては、準備期間が短く「準備期間はない」「1年未満」と回答した割合が7割を占めていることも重要です。
 いずれの類型においても十分な準備期間が確保できるよう早めに取り掛かるのが肝要です。

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 事業承継の手段として「社外への引継ぎ」は現在増えております。これは、逆に言えば、近年では自社の事業拡大及び成長を目指し、他社の事業を引継ぐ方も増えているとも言えます。

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