2025 年(令和7年)施行の法改正の一部抜粋概要
2024/12/12
2025 年には、労働環境や雇用に関する重要な法改正が複数予定されています。
中小企業にとって、特に大きな影響を及ぼすものとしては、「高年齢者雇用安定法」「育児・介護休業法」「障害者雇用促進法」「労働安全衛生法」「雇用保険法」「労働基準法」の改正が挙げられます。今回は来年度の準備に向けて、一部抜粋とはなりますが、法改正の情報を解説していきます。
1. 雇用保険法
① 自己都合退職者の給付制限について、2 カ月から1 カ月に短縮
② 就業手当の廃止および、就業促進定着手当の給付上限の引き下げ
③ 育児休業給付に係る保険料率の引き上げ(0.4%から0.5% ) と、
保険財政状況に応じた保険料率の引き下げ(0.5%から0.4% ) を可能とする仕組みの導入
④ 教育訓練支援給付金の給付率を80%から60%に引き下げ
⑤ 高年齢雇用継続給付の支給率を15%から10%に引き下げ
⑥ 教育訓練休暇給付金の創設
2. 育児・介護休業法
① 所定外労働の制限( 残業免除) の対象拡大(小学校就学前の子を養育する労働者も対象に)
② 子の看護休暇の見直し(入園式なども対象として追加)
③ 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取と配慮の義務化
④ 育児休業取得状況の公表義務を300 人超の企業に拡大
⑤ 介護離職防止のための個別周知と意向確認、雇用環境整備などの措置の義務化
3. 子ども・子育て支援法
① 妊婦のための支援給付の創設(10 万円相当の経済支援)
② 妊婦等包括相談支援事業の創設
③ 出生後休業支援給付の創設(育休給付率を手取り10 割相当に)
④ 育児時短就業給付の創設 など
4. 障害者雇用促進法
① 障害者の法定雇用率に関する除外率を設定業種ごとにそれぞれ10 ポイント引き下げ
5. 高年齢者雇用安定
① 高年齢者雇用確保措置として、以下のいずれかの措置を講じることが義務化
・定年制の廃止
・65 歳までの定年の引き上げ
・希望者全員の65 歳までの継続雇用制度の導入
6. 労働安全衛生規則
① 危険箇所などで事業者が行う退避や立ち入り禁止などの措置について、対象範囲を何らかの作業
に従事する全ての者(一人親方や他社の労働者など含め)に拡大
② 危険箇所などにおける作業の一部を委託する一人親方に対して、保護具などを使用させる義務が
ある場合は、その旨を周知することが義務化
今回の改正は就業規則の改定や労働者周知が必要になるものもあります。2025 年の法改正に対応するためには、具体的なアクションプランの策定をし、法改正内容を正確に理解し、社内での対応を計画的に進めることで、スムーズな法改正対応が可能となります。 |