遺言のススメ①~相続のご相談において~
2025/08/05
8 月はお盆の季節です。
相続があった直後のお盆と年末年始は、実家に集まる機会が多いだけに、「遺産分割(遺産分け)」の話をするご家族は多く、相続業務を行う当社に、「財産のリスト(目録)をお盆までに欲しい...」などの依頼が多く寄せられます。
今月のかわら版は、近年、非常にご相談の多い「遺言」がテーマです。
①相続のご相談において...
夏から秋は、日本人にとって故人に思いをはせる独特の行事が多い季節です。お盆やお彼岸などはその最たる例です。
若い世代の方々にとっては、これらの行事が希薄になっていると言われがちですが、しかし、日本人のDNA には自然と引き継がれているものなのかもしれません。
ちなみに、お盆ですが「ご先祖様の霊をお迎えし、もてなす」行事ですが、なかなか由来は薄れて参りました。
もともとは仏教行事で「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言う、お盆にご先祖供養を行うことで親孝行をするという行事の一つです。ちなみに「お盆」はこの「盂蘭盆(うらぼん)」を略したものと言われております。
お彼岸も、煩悩と迷いの世界である「此岸」から悟りの世界「彼岸」へ到達するための修行の期間とされ、ご先祖さまや自然への感謝をささげる行事です。
どちらも共通するのは、ご先祖様への感謝です。
故人への想いを馳せることが多いためか、この期間は「相続対策」のご相談も多く頂きます。
相続対策についてご相談は、大きく2 つに分類されます。
<①税金の心配> | |
自分に万が一のことがあった場合、相続税はどれぐらいになるのか? | |
<②遺産分けの心配> | |
自分の財産を子どもたちにどのように引き継がせたら良いのか? |
また、今後の事業展開や子供たちの将来等を鑑み、前号の「かわら版」で掲載した「事業承継」、特に「第三者承継(いわゆるM&A)」のご相談も頂きます。
相続対策のご相談を承った際に、まずお話しすることがあります。それは、「税金やお金のことに先んじて、まずは" 気持ち" としてご希望を、お話し頂く」ことです。
相続税をできる限り節税したい、は誰しも思うことですが、「税金の節税」と「ご家族のお気持ち(感情)」との「行き違い」があると、" それを考えても節税を..." とするかは、悩みどころです。
例えば、夫が亡くなり相続の際に、「自宅を誰が相続するか」の判断があります。妻も固有の財産を多く持っている場合、妻の相続の際に再度かかる子の相続税や2 回分の登記費用などを考えると、今の時点で子の世代が引き継いだ方が理論的には得の場合も多いというのが事実です。
しかし、自分の夫との思い出の詰まった自宅について、長男等の次の世代が相談し、その家に奥様が一人暮らしの場合、その奥様から寂しそうに「この家の家主は長男で、私、長男にただで住まわせてもらっているのよ・・・」とのお言葉を頂くと、それでよかったかどうか、と考えることもあります。
法人税、所得税などは、税金の多少で考えることが多いですが、相続税(贈与税)は「人の情」が入ります。難しい税法である所以です。
明日の記事では、「遺言の種類とその違い」についてご説明いたします。
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