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ひとつのものに「5つの値段?」~一物五価の中小企業の株価~ パート2

オーナー用株価としての「時価評価額」とは...

今までの話は、オーナー一族の個人間の相続・贈与などの際に用いられる株価ですが、同じオーナー用株価でも「個人→会社」間での売買に用いられる株価は異なります。「時価評価額」と言われ、次の算式での評価額となります。

「類似業種比準価額」× 50% +「時価純資産価額」× 50%
→大会社であっても「どちらか低い株価」とならず、必ず50:50 の折衷です

ここで、「時価純資産価額」とは、前回の②の純資産価額と似ているのですが、次の点が異なり、おおむね純資産価額より高くなります。

  • 土地と上場株式について「時価評価」する。土地は路線価ではなく、公示地価や鑑定評価などの「時価」にて評価をし、上場株式も売買日の時価で評価する。
  • 含み益の37% のカットができない。

したがって、オーナー用株価であっても、相続・贈与など「個人間」での株価と、自社やグループ会社に個人から売る時の基準となる株価は、全く異なる株価である点に留意ください

もしその株価より高い又は低い株価での売買であると、様々な課税問題が生じます。

オーナー一族以外の「役員・社員」への株価とは・・・

 オーナー一族間での株価は「高い株価」ですが、オーナー一族からオーナー一族以外、例えば役員・社員へ株を持たせる場合の基準となる株価は、「額面」を基準とし、配当率のみを勘案する株価です。

具体的には、10% 配当であれば「額面相当」、無配当であると額面の半分が株価となりますので、それ以上の金額で「売買」すれば問題は生じません。

したがって、オーナー一族以外の役員・社員へ株を持たせる場合には、「額面金額」
内外での売買をしても、問題はないこととなります。

ただし、ここで要注意事項です。
オーナー一族以外に移動する場合には額面内外で可ですが、「買い戻す」場合には「オーナー用株価」が適用されます。

つまり、オーナーが役員・社員に売る場合には、額面が500 円で1,000 株とすれば50 万円で可ですが、これをオーナーやその親族が同額の50 万円で買い戻した場合には、その時の類似業種比準価額と純資産価額から評価した「オーナー用株価」が仮に5,000 円とすると、5,000 円の価値のものを「5,000 円-500 円=4,500 円安く買って、得をした」と税法では解釈をし、「4,500 円× 1,000株=450 万円」が贈与税の対象となってしまいます。

これが、中小企業株式の「一物五価」の最も現れる場面で、オーナー側からオーナー以外に売買する株価と逆の場面では、適用される株価に大きな差がある、こととなります。

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