M&Aで会社を譲る。会社を引き受ける③-2
2026/06/04
「後継者の決定から、代表者の交代や自社株式の引継ぎ」までどれぐらいの時間が掛かったかも公表されていますので見てみましょう。

事業承継の完了までには、3 年未満で完了という方は、全体の4 分の1 に届かず、5 割を超える方が5 年以上かかることが確認できます。
「事業承継の完了」と言っても家族ごとに考え方が違いますし、代表権や株式の移動をもって事業承継の完了とは言い難いこともありますから一様に判断できませんが、時間が掛かることは事実です。
子どもに会社を「継がせたい」という場合、次に示すような「うちの会社とは...」と「うちの会社を継ぐ時は...」を、「少しずつ長い期間」をかけて、自分の言葉で伝えておくことが、非常に大切なことではと思っています。
<うちの会社とは>
〇うちの「会社の事業」はこんな仕事。
〇取引先やお客様に対して、こんなことでお役に立っていて、そこがうちの「強み」だ。
〇うちの会社を継ぐとこんな「やりがい」がある。
〇うちの会社には、こんな幹部・社員がいて、皆こんなに頑張ってくれている。
ただし、うちの会社を継ぐときは・・・
〇会社を継ぐということは、このような責任もある。
〇今厳しいことは、このような点だ・・・。
後継者から、「父から、小さな頃から" うちの会社はこんな会社で、こんなものを作っているよ" と言われて、自然と" 継ぐ" という気持ちになっていった」というのは、最もよく聞く話です。
逆に、こんなこともよくあります。
「会社の隣が自宅ですが、小さな頃から両親が会社から帰ってきては、いつも会社のことで夫婦げんかや愚痴ばかり。疲れた...を口癖のように毎日聞かされていたので、自分は違う道に行こう、と決めていました。会社を継げ、と言われていますが、浅沼さんから、父に伝えて欲しい」と、息子さんから本音を打ち明けられたことも何度もあります。
「経営には常に厳しさがある」のは当然ですが、小さな頃から毎日「継いだ場合のマイナス面」ばかり聞かされていて、その数十年後に「是非継いでくれ...」では、なかなか難しいものです。子どもは覚えていますから...。
子どもへの事業承継中に、「本当は違う道に進みたかった...」「突然継げと言われても...」となり、頓挫してしまうことも少なからずありました。
M&Aに進んでいる過程で、子どもから「自分が継いでもよかったが、声が掛からなかったので、自分は経営者に不向きと思われた...」との話になり、親子で話が混乱して、M&Aを中止せざるを得ないこともありました。
事業承継については、なかなか話題にしづらいこと確かです。
しかし、その中でも少しずつでも意識的にコミュニケーションをとり、「うちはこんな会社」「こんなやりがいがある」「こんなよいことがある」を伝えていくことが重要と考えます。
後継者にしたい子どもがいる場合には、できる限り事業承継に関する考え方を共有しておくことが大事です。
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